「撲滅」じゃ永遠になくならないんだがな
by stt : 2010年04月04日 00:37
職業柄、原発の中央操作室の設計でよく「ヒューマンエラーの撲滅」
といったコンセプトを耳にします。
んですが、「撲滅」って言葉を使ってる時点で
根性論でどうにかしよう、って言う考えが見えて来ちゃうんですよね。
設計でヒューマンエラーを無くすのは、根性じゃなくて理論ででしょ?っていう。
人間に負担かけるような設計にしないのが、俺たちの仕事だろ違うのかおいハゲ。
ヒューマンエラーって、運転員の技術不足とか注意不足が大きく見えちゃうけど
根本にあるのは、表示盤・操作盤・運用システムが駄目だったりするんですよね。
もちろん運転員は相当訓練してから、実機の運転に携わるので
ちょっと駄目なシステムだろうが、訓練量でカバーできてるんですが、
「撲滅」ってそういう事じゃないべ、っていう。
ヒューマンエラーとか認知科学とか、いろんな学問があるのに
結局の所、声がでかい人の意見で作られてる感じなんだよなぁ。
そういう知見を取り込んで、かつ、原子力プラントとしての哲学なりを入れれば良いのに
基本も押さえずに、意味不明な設計がかなり混在してるんですよね。
技術者倫理とかどっかに飛び去ってるし、他業界・海外も大して見てない。
見てても結局新しい物嫌がって入れない。うんこ。
今ちょうど、どこも次世代の中操の設計が(いまさら)始めてるところですが
出来た頃には世界最低レベルの中操が出来るんだろうなぁ、
と今から期待出来ない状況です。はぁ。
まぁ、危険な原発になる方向には多分行かないので、
一般市民として特に心配する必要はないんですが、
中韓にも抜かれるようなウンコ盤になのを、黙って見逃すわけにはいかないね!
というのを、サイエンスチャンネルで今度放送される
科学が社会にできること?安全安心の科学? (6)原子力発電所の安全
の取材記事を読んで思いました。4月からネットでも見られるそうです。
おそらく、「こんなに安全に考えられた表示なんだぜ!」って内容で、
表示盤もじっくり近くで映して解説したそうなので、
割と普通では見られない所も多く見られて面白いかと思います。
暇な人は見て問題点を考えてみてください。
色々と低レベルで初歩的な間違いをしているので、面白いかと思います。